「・・・え?」


瞳を丸くしては目の前でニコニコと微笑んでいるティナを見た。

今、何て・・・?

はそう思いながらティナを凝視した。

笑顔のティナが、再度口を開く。


「だから、買出しは私達だけでやるからはロックと街中で遊んでいて」


きゅ、との両手を握って言うティナ。
けれどもはポカンとしていて現状が未だに飲み込めていない様子だ。
そんなを見てエドガーはくすりと笑った。



首謀者はお前か。



はそう思いエドガーを睨みつけるが急に腕を引かれたので其れは直ぐに終わった。
行き成り引っ張られたのでは驚いて「わ」と短い声を上げてしまうが、直ぐに平静を取り戻した。

腕を引っ張ったのは、嬉しそうに笑うロックだった。


「・・・ぁ、」


本当に嬉しそうに笑って「へへっ、誕生日って良い物だな!」と言うロックには見惚れていた。

純粋な笑み―。

綺麗な笑みに見惚れているとロックは「行くぜ、」と言い今度は手を引いた。


「ロ、ロック・・・!」


手を繋いで街中へ消えて行く二人を仲間達は皆見ていたのだが、ロックは其れを気にせず、寧ろ見せびらかす様に歩を進めた。

ロックは平然と歩いているがは何処か恥ずかしかった。


「ロック・・・・・・?」

「俺さ、物は別に良いんだ」


前を向いた儘ロックがポツリと呟いた。


「良い思い出さえ作れれば、また来年も楽しみになる。
 ・・・俺の誕生日を祝おうとしてくれてる奴・・・と一緒に、今日を過ごせれば、俺は其れでいいよ」


空いている方の手で自分の鼻下を照れ臭そうに指でかく。

「へへっ」と笑う彼の背には笑みを向けて少しだけ足を速めて彼の横に並んだ。

頬がほのかに朱に染まっているロックを見上げては少し困った様に微笑んだ。


「・・・それでも、贈り物は用意したかったんだ」

「気持ちだけで嬉しいよ」

「・・・後で、残る物では無いけれど、贈らせて貰う」


少し俯き加減でそう言ったにロックは笑い、の頭にポンと手を置いて「ああ、楽しみにしておく」と言って笑った。



――生まれてきてくれてありがとう、


今この時に感謝します――。



【END】


短いよ後編(爆)

兎に角、ロック誕生日おめでとうございまーす