「はあぁ〜・・・やっぱり此処のパフェは美味しいわー・・・」


口の中でとろける〜、と言いつつとても幸せそうにチョコパフェを食べているのはだ。
そう言った後、またパフェにスプーンを刺し、掬って口に運ぶ。
そして「んんっ」と言い頬をピンク色にして幸せそうに笑った。

ちなみに此処はバラムガーデンの食堂。

美味しそうにパフェを食べる前にはこのガーデンの委員長を務めるスコール・レオンハートが頬杖を着いて彼女の様子を見ていた。

「ん〜!」と声を上げてパフェを口に含んだ後、頬を押さえる


「やっぱ良いわ〜チョコパフェ! あ、スッコーもどう?」


どう?と言いつつパフェをスプーンで掬って向けてくる。
スコールはそんなに小さく息を吐いて首をゆっくりと振る。
そんなスコールには「そう?」と言い其れを自分の口にまた含んだ。


―其の時、


「やっと見つけた!!」

「ん?」


よく通るソプラノボイスが食堂に響いた、と思った時、真横にそれは現れた。
腰に手を当てての横に立って彼女を見下ろしているのはセルフィだった。

セルフィはスコールをちらりと見、「しかもいいんちょと一緒に居るし」と言い頬を膨らます。
それには小首を傾げセルフィを見上げる。

何だか良く分からないが、セルフィは自分を探していたらしかった。
もしかしたら何か約束をしていて、自分が忘れていたりしてすっぽかしてしまったのかもしれない。

そう思ったは少し慌てて「セフィ、」と彼女を呼ぶ。


「えっと、私何かセフィと約束してたっけ?」

「してないけど・・・。 ・・・あーもうっ!いいんちょ、借りるからね!」


セルフィは少し言葉を濁した後、そう言いの手を掴んだ。
掴まれたは「え゛」と言いぎょっとした表情をした。

だってまだチョコパフェがっ!!食べ途中なんだよ!?久々のチョコパフェタイムがっ!!

そう思いチョコパフェを悲痛な顔で見ている
そんなを見つつも、用事ならば仕方ないだろうとスコールは思い、セルフィに「好きにしろ」と返答する。
セルフィはそんなスコールに礼を言い、渋るを席から立たせる。
「ほら、行く行く!」と言い引っ張るセルフィに「う゛ーーー・・・」と不満げな唸り声を上げて渋々彼女に着いていく


「スッコー・・・何で引き止めてくれないのー・・・?」


酷いよー悲しいよースッコー、と言ってくるにスコールは少々複雑な表情をした。

スコールも、とは出来れば離れたくなかったのだ。
特に、今日は。

女々しい自分に自嘲しつつ、スコールはに片手を上げた。
それを見たはやっと諦めたのか、「うー・・・。スッコー、残り食べて良いからね・・・」としょんぼりした様子でそう言った。

私のだけど、楽しみにしてた久々のチョコパフェだけど、呼び出されたから、仕方なく、。という様子でそう言ったにスコールは溜め息交じりに「行くなら早く行け」と言った。

ズルズルとセルフィに引き摺られ「あああぁぁぁぁー・・・・・・」という声を上げながら遠ざかっていくを見送った後、スコールは前にある食べかけのパフェを見、何処か残念そうに息を吐いた。



















































「で? 結局何なのー?」


私久々のパフェタイムだったんですがー。と、が言うとセルフィは目を丸くして彼女を見る。


「何、って・・・・・・。 準備だよ?」

「準備?」


何の?とが小首を傾げるとセルフィは驚いたように更に目を丸くした。
その後に、少し考え、何か思いついた様な表情をした。

嫌な予感がする。

咄嗟にそう思いはセルフィから離れようとしたが、時、既に遅し。
ぐっと引っ張られてエレベーターに乗ってしまった。
もう逃げられないと悟ったは「何処に行くの?」とセルフィに問う。
すると彼女は「二階だよ〜、教室に行くの」と答えた。

二階で下りて教室に入ると、リノア、ゼル、キスティス、アーヴァインと、皆が居た。

セルフィが「連れて来たよ〜」と言い皆に近付く。


「でも、今日知らなかったみたい」

「えっ!? ほんとに?」


セルフィの言葉にリノアが驚きの声を上げる。
驚いたのはリノアだけでは無かったようで、アーヴァイン達も目を大きくしていた。
其れにが首を傾げていると、アーヴァインが近付いてきて、の肩に手を置く。


「ま、良いじゃないか。予定通りで」

そう言って彼は「はい」と言ってに何かを渡す。
条件反射でそれを受け取ったは(何だろう)と思い手の内にある物を見下ろす。

そして、それが何かを理解した瞬間「イラナイ」と言ってアーヴァインに押し返した。

押し付けられたアーヴァインは「いやいやいや!」と言い再度其れをに渡す。
帰って来た物を落としたらいけないと思いつい受け取ってしまったはわなわなと震える手でそれを前にバッと出して言う。


「何、何なの!? 着ろって事!?」


嫌だけど!!と言ってが前に出したのは所詮、女の子らしいとっても可愛らしいドレス。
本気で嫌そうな顔をして言うにキスティスが微笑んで「絶対似合うから大丈夫よ」と言う。


「・・・こーんな少女趣味なフリフリが?」


こういうの着るならセフィでしょ。と言うにリノアが首を振って近付く。
「似合うから、大丈夫大丈夫!」と、言って笑っての腕をがっしりと掴む。
頷きつつキスティスもリノアとは反対側の腕をがっしりと掴む。

嫌な予感がする。と、は再度思いバッとドアの方を見やる。
あそこから逃げる!と思っていただが、彼女の視線に気付いたゼルが「おっと、」と言いドアの前に立った。

何塞いでくれてるんですかい!と思いつつは「ゼールー?」と彼の名を呼ぶ。
だがゼルは困ったように笑っただけだった。


「悪ィ。今回は・・・な?」

「何でよー!」


私が何をしたー!と言うに「まあ、観念なさいよ」と右からキスティスが言う。
「そうそう」と左からリノア。
完璧に両側から捕まった状態のの正面には、何時の間にかから衣服を取ったセルフィが笑顔で立っていた。

その状況にがサッと顔を青くし、「えっ・・・?」と言う。
気付けば教室内にゼルとアーヴァインが居ない。
恐らくが目を放していた時に二人は出て行ったのだろう。
そして万が一外にが逃げてきても平気なように外で待機しているのだろう。

男二人め・・・!と、が考えていると、前からセルフィの手が伸びて来た。

其れに慌てて「え、や、ちょ・・・! タ、タンマ!!」と声を上げるがニッコリと微笑んだ両側の二人は、


「タンマ無し」

なら絶対可愛いって!」


キスティスとリノアにそう言われ「え゛」と声を漏らす
正面のセルフィもニッコリと可愛らしい笑みを浮かべ、の両肩に手を置く。


「じゃ、お着替え開始ね〜」

「ちょ、まっ・・・・・・!!」


いやだああああああああ!!!!


幸せなパフェタイム、さらば。











――ドッタバッタと暴れる音が暫く聞こえていたが急にしんとなった。
それに廊下の壁に寄り掛かって着替えを待っていたアーヴァインとゼルは顔を見合わせる。
その後、取り合えず、とゼルが呟いてドアをコンコンと軽くノックする。


「終わったか?」


そう問うとドアが開き、キスティスが出てきた。
そして彼女は嬉しそうに微笑んで「見てみて、凄く良い感じよ」と言って二人を中に招く。


中に入って、直ぐに目に留まったモノにゼルとアーヴァインは其々が感嘆の声を上げた。


ふわり、と膨らんだスカートにはレースがふんだんに使われていた。

そこからすらりと伸びている足にはニーソックスに合う可愛らしい靴が履かれていた。

ヘッドドレスにもレースが多々使われていたが、そのレースの中にのトレードマークとも言える蝶がついていた。

肩口はふわりと膨らんでいて、二の腕の所できゅっと細くなっているが袖にかけて広がっていく形がとても彼女に似合っている。

その腕の部分にはリボンも巻かれており、レースとの合わせがとても合っていた。


それにゼルは見惚れ、アーヴァインはニコリと微笑んで座り込んで頬を膨らましているオヒメサマの前に片膝を立ててしゃがむ。
そしての手を恭しく取り、口を開く。


「凄く可愛いよ、


その言葉に元から赤みがかっていた頬が更に朱に染まる。
そんなをアーヴァインは笑って見詰める。

アーヴァインの後ろに腕を組んでリノアが立ち、「ちょっと!」と言う。


「貴方が王子様になってどうするのよ」

「おっと、あまりにも可愛いお姫様だったのでつい」

「・・・アービン、からかわないで・・・!!」


べし、と手を上げてアーヴァインの手を叩く。
そんなにアーヴァインは笑みを返した後、立ち上がる。


「さて、そろそろ説明に行こうか」

「お願いしますー。楽しみにしてたパフェタイム潰されて連れて来られてこんなん着せられたんですー。相応の理由をお願いしますー」


不機嫌さを露にしてそう言うに皆が苦笑する。
そんな中、ゼルが「今日さ、パーティがあるんだよ」と言う。
それには首を傾げる。パーティなんてあったっけ、と。
首を傾げるにセルフィが「結構前から言ってたんだけどね〜」と言う。
セルフィの後に、キスティスが口を開く。


「でも、は知らなかったみたいね・・・。
 まぁ、ちょっとした息抜きみたいな物よ。一晩ぱーっとストレス発散させて、っていうのよ。
 ・・・主役も居ると言えば居るのだけれど、こっちよりそっちがメインになってたりするわね」


委員長なのにね、と呟くキスティス。

そんな話を聞いたが「取り合えず、」と言う。


「パーティがあんのね?」

「そうだよ〜」


と、アーヴァイン。


「・・・で、取り合えず皆さんお疲れーたまにはパーッってヤツね?」

「そうね」


と、キスティス。


「・・・・・・そんで主役は一番働いている委員長さんね?」

「そうそう」


と、リノア。


「・・・・・・・・・で? 着替えた理由は?」

「そりゃあ・・・、」


と、ゼルが言いセルフィを見やる。
セルフィは頷いた後、笑って口を開く。


「ズバリッ、エスコート!!」

「え? 誰が?」

「いいんちょが」

「・・・誰を?」

〜」


ビシッと指差して言うセルフィには手をビシリと出して「タンマ!」と言う。
リノアが「そうだぞ〜セルフィ、人を指差しちゃだめなんだぞ!」と言うがそのタンマじゃない!とは思い口を開く。


「・・・あのね、それじゃスッコー休めないと思うの」


というかパーティ自体スッコーは休めないでしょ、と言うに皆は首を振った。


「大丈夫、スコールは十分癒されるわ」

「そうそう! というか、が行ってくれないと私たちが困るのよ」


リノアの言葉にが「え?」と首を傾げる。
直後、「まー取り合えず」という暢気な声と共にの上に何かがバサリと被された。
突然の事でが驚いていると、肩を抱かれて立たされた。


「それじゃ、僕はを運んだ後伝えてくるよ」

「運ぶ、ってオーイ、アービン、なんですかいその超お荷物扱いは」

「よろしくね〜アービン」


セルフィの暢気な声が響く。
スルーですか、そうですか。とが思っているとアーヴァインが「じゃ、行こうか」と言っての手を引っ張って行く。


何処行くんだろ?と思って素直に着いて行った事を後悔するが、後の祭り。


「ちょっとーーー!?」とは押し込められた部屋のドアをドンドンと叩いて猛抗議の声を上げるが外からロックされたドアは動じず。
アーヴァインの「じゃ、大人しくしててね」と言って彼が去っていく気配がしたのだが、(ムリ!!)とは思いへたりとその場に座り込んだ。
どうしろって言うの、と思いつつはかけられたままだったアーヴァインのコートに八つ当たりをする(引っ張ってやる、伸びろ)

ちみっちい事をしても特に意味の無い事に気付いたのが数分後。

は観念し、部屋の中に「お邪魔します・・・」と呟いて足を踏み入れた。


特に無駄な物が置いてない部屋。

整えられたベッド、整理された机(其の上には武器の雑誌がある)

壁には彼の好きな獣の模様の入ったガンブレードのケースが立て掛けてある。


そう、此処はスコールの部屋なのである。


(何で此処でこんな格好で居るんだろ、私)


そう思いは大きく溜め息を吐いて綺麗に整えられたベッドにゆっくりと腰を下ろした。
そして、辺りを見渡しつつ(スッコーの部屋、綺麗だなー)と、思う。

正直、物が全然無いだけかもしれないが。

そう思いつつ、はこんなにじっくりと見る事の無かったスコールの部屋の中を見渡した。

エロ本とか無いのかな、と思いつつベッドの下を覗き込むが何も無かった、流石スコール。















































「あ、居た居た。スコール!」


ガーデンの廊下を歩いていると後ろから呼ばれた。
振り返ると、ラフな格好のアーヴァインが片手を上げて近付いてきているのが見えた。
帽子も被っておらず、コートも着ていないアーヴァインを珍しく思いつつ、スコールは「何だ」と問う。


「まだお決まりの言葉は言わないよ。やっぱに一番に言ってもらいたいだろ〜?」

「・・・アイツは知らないだろ」

「っぽかったね、何で教えてないのさ、こっちがビックリしたよ」


アーヴァインはそう言い頭をかく。

それにスコールは少々罰が悪そうな表情をし、腕を組む。


(・・・言うタイミングが掴めなかったんだ・・・)


セルフィ達は何処からか調べたらしいが、は普通に知らなかったようだ。
スコールもと会話をしている時にそういう会話をしようとしたのだが、中々タイミングが掴めず。
セルフィ達もスコールから聞いているだろうと思ったので教えなかったらしかった。

それにスコールは溜め息を吐き、口を開く。


「・・・取り合えず、今夜は皆が楽しめれば良いんだろ?」

「第一は委員長の誕生日なんだけどね・・・。 ま、そういう事で!僕たちからプレゼントがあるんだ」

「?」


プレゼント?と思いスコールは小首を傾げる。

セルフィ達が考え、主催したパーティ自体がプレゼントだと思っていたスコールは他にもあるのか、と思い問いかける様な視線でアーヴァインを見やる。
が、アーヴァインは意味有り気に笑うだけで、「取り合えずさ、部屋に行って着替え名よ」とだけ言った。
スコールは疑問を抱きながらも、どうやら部屋に行ったら分かるようなので「あぁ」と返事をして自分の部屋を目指した。



部屋に着き、カードキーを使用してロックを解除する。
そして何時も通りに部屋のドアを開けて、中に一歩足を踏み入れた瞬間スコールは固まった。


中に足を踏み入れた瞬間、鼻に付いた香り。

覚えのあるそれを感じたと同時に、視界に入ったある人物。


ベッドの上で、が丸くなって眠っていたのだ―。


しかも普段の服では無く、可愛らしいドレスを着て、


其れを見た後、スコールは大きく息を吐いて、額を押さえて思わずその場にしゃがみ込んだ。

(あいつら・・・)と思い、すぅ、と寝息を立てて眠るを見やる。
よく見ると、何かを抱えて眠っている。
何だと思い覗き込んで見るとそれはアーヴァインのコートだった。

何だかそれが気に入らず、スコールは結構くしゃくしゃになってしまっているそれに手をかける。
それとほぼ同時に「ん、」という声が静かな室内に響いた。

声を漏らした後、身じろぎをし、はぱちりと瞳を開いた。

直後、バッチリとお互いの視線が合い、お互いが目を丸くした。

・・・五秒くらい経って、が「うっそ!!寝てた!!」と言いガバリと起き上がる。

上半身を起こしたを、改めてまじまじと見詰め、スコールは瞳を丸くした。


(・・・何と言うか、見慣れていないせいか? ・・・否、違うな、素直にそう思ったんだ、普段でも十分なのに、)


そう思いつつまじまじと見詰めていると、居心地が悪そうにが「あの、スッコー?」と呼びかける。
それにスコールはハッとして「悪い・・・」と言い視線を逸らす。

は「あ、ううん、いいの、いーの、」と言い少々残念な気持ちでスコールを見る。

そして少し間が空いた後、が「な、何かね」と言い、続ける。


「今日パーティあるんだってね、」

「・・・あぁ」

「私知らなくって・・・。ついさっき知ったんだ、スッコー知ってた?」

「あぁ」


頷くスコールには「そっか・・・」と言い少しだけ俯く。


「スッコー、パーティ行く?」

「あぁ、セルフィ達がせっかく開いてくれたんだ。行かない訳にはいかないだろう」

「スッコー主役、ってヤツ? でも・・・・・・、あっ!!」


確かにスッコーは頑張ってるけど、何で、と思い口にしようとした其の時、はある考えが浮かんで思わず短く声を上げる。
そして恐る恐るといった様子でスコールを見上げる。


「・・・あのさ、スッコーって、今日・・・、」


感づいているにスコールは少し申し訳無さそうな表情をし、頷きを返す。
それにはガックシと頭を下げて項垂れた。

言うタイミングが掴めなかった、すまない。と言うスコールだが、は顔を上げなかった。

きゅ、とスカートを握る手は微かだが震えていた。

それを見、スコールは、そ、っと彼女の手の上に自分の手を添えた。


「・・・皆は知ってたんだね、」

「・・・何処からか調べたらしい・・・」

「・・・・・・私、知らなかったからって、何も用意出来てないや・・・、」


俯いて表情は上手く伺えないが、震える声で懸命に明るい声を出そうとしているにスコールは「すまない、」と言って彼女の髪に指を通す。
それには小首を傾げ、「どうしてスッコーが謝るの?」と問うた。

スコールは少し黙った後、の手をきゅ、と握って口を開いた。


「俺の、我が儘だ。 自分の口から言いたかった・・・。 でも、言うタイミングが掴めなくて、結局アンタを傷つけた」

「でも、私も聞こうと・・・、」




スコールはの手を握ったまま上げ、その手の甲にそっと口付けを落とした。

そんなスコールの行動にが頬を朱に染める。

スコールはの手を握ったまま、言葉を紡ぐ。


「・・・似合っている、 ・・・凄く、可愛いと思う」

「あ・・・え・・・? ・・・あ、ありがとう・・・、」


可愛い、とスコールに言われると酷く照れる。

がそう思い頬を朱に染めて言うと、スコールは彼女の頬に手を沿えて額に口付けを落とした。


「俺は、何も要らない。 さえ居れば良い」


そう言い頬に口付けをするスコールに、はくすぐったさを覚えて少しだけ身じろぐ。
「でも、」と言いはスコールを見上げる。


「知ったからには何かしてあげたいよ・・・!」


何か無いの?と言うにスコールは少しだけ思案顔をし、直ぐにを見下ろす。
そして「何でも良いのか?」と問いかける。それには直ぐに頷く。

「分かった」と言いスコールは中腰だった体制から床に片膝を立てて座る体制に変わる。

そして、両手をゆっくりと広げてベッドの上できょとんとしているを見た。


「おいで、」


そう言うとは瞳を丸くして、少しだけ慌てた様子を見せた。

が、直ぐにベッドの上からスコールの腕の中へと身を滑らせた。

ぎゅ、と背に腕を回され、もおずおずとスコールの背に腕を回す。


「こうしているだけで、俺は十分だ」


そう言いの肩口に顔を埋めるスコール。
「でも、」と言いかけたを少し力を込めて抱き締める。


「これからも俺の傍に居てくれ、それがプレゼントが良い」


そう言い今度は耳に軽く口付けをするスコール。

はそれに首を少し捻らせて、彼の頬に口付けをした。


「逆に、私がお願いしたいくらいなのにね」


そう言っては自分の肩に顔を埋めるスコールの頭を撫でる。

そして、嬉しそうに微笑んで言う。


「今夜はさ、一緒にパーティ行こう?」

「あぁ・・・それで、また踊ろう」

「SeeD就任パーティ以来だね。 ・・・そんでさ、明日は休暇なんでしょ?」

「・・・あぁ」

「だったらさ、バラムにショッピングに行こう? やっぱ物もあげたいよ私」

「・・・・・・あぁ」

「・・・ねぇ、スッコー?」


優しく撫でられる感覚を心地よく思いながら、スコールは愛しい彼女の声を聞く。

彼女の声は鈴を転がした様な綺麗な音だった。

酷く、心地よく感じる、体温―。


そう思い、スコールはを抱き締めた。


「お誕生日おめでとう」


はそう言ってスコールにぎゅ、と抱きついた。



【END】


パーティ行け。←

スコールお誕生日おめでとう、うおおおギリギリ(爆)
結構ゴタゴタです、下手したら続きというか、ショッピング編とか書きそうだ。