「っつ・・・痛た・・・・・・」
ロックは身体中に痛みを感じつつも、起き上がった。
一瞬何があったんだっけ? と思ったが辺りを見渡し、そして腕の中の存在を確認して直ぐにハッとした。
(そうだ!幻獣が突っ込んで来て・・・! 飛空挺が落ちたんだ!)
そして直ぐに(!)と思い彼女を抱き起こした。
砂埃や泥が付いているが、特に目立った外傷は無い様だ。
そんな彼女の様子にロックは安堵の息を吐いた。
「・・・う・・・・・・」
「! 起きろ、エドガー!大丈夫か!?」
「・・・・・・」
近くにエドガーが倒れていたのでロックはを抱きかかえつつもエドガーを揺らした。
エドガーは瞳をゆっくりと開き、起き上がろうとしたが苦痛の表情を浮かべて再度地面に沈んだ。
「・・・く、」
「平気か・・・?」
「残念ながらこの様だ・・・立てない」
エドガーはそうロックに返し、辺りを見渡す。
其れと同時にカイエンやマッシュ、ガウが起き上がった。
動ける者は未だ気を失っている者の様子を確認する為に移動し始めた。
エドガーはマッシュにチャクラをかけてもらい、やっと立ち上がった。
「・・・ロック、は・・・?」
「・・・・・・、」
腕の中で瞳を閉じているの肩を揺らしてみる。が、彼女の瞳は硬く閉じられた儘だった。
其れに焦りを感じ、ロックはの頬を軽く叩く。
「・・・・・・、・・・!」
其れでも中々瞳を開かないにロックは酷く焦りを感じた。
「・・・!! 起きてくれ、・・・!!」
もし此の儘目を覚まさなかったら―等という最悪の結果を思い浮かべてしまう。
ロックはブンブンと雑念を払う様に首を振って再度に呼びかけた。
「・・・!」
彼女まで失ったら? 自分は如何すればいい?
そう考えてからぞっとしてロックはの細い肩を掴んで揺らした。
彼女まで―、 否、違う。
彼女を失ったら・・・、自分は一体如何すればいい!?
「・・・!!」
早く目を開けて、俺を安心させてくれ!!
ロックは心から強くそう願いに呼びかけ続けた。
背後から足音がする。如何やら以外は目を覚ました様だ。
不安気な瞳で皆が見てくる。
だがロックはそんな彼等を気にしている余裕等無かった。
「! 頼む、起きてくれ!」
「ロック・・・・・・、」
頼む、 そう願いを込めて呼びかけを続けていたらピクリ、との指の先が動いた。
其れを見たロックはハッとしての様子を伺う。
彼女の瞼が震えた。
そして其れがゆっくりと開かれて金色の色が姿を現した。
「・・・・・・ん、」
数回目を鳴らす為に瞬きを繰り返した後、金色の瞳で自分を見て来た。
そして、
「・・・ロック・・・?」
自分の名前を呼んでくれた。
其れで酷く安心して、
ロックはを抱き締めた―。
腕の中のは頬を朱に染めて「な・・・!?」と状況が把握出来ずに慌てていた。
そんな彼女を酷く愛しく想い、ロックは「良かった・・・」と呟いてを強く抱き締めた。
完璧な自覚だ・・・!