未来の魔女、アルティミシア。


私達の時代からずっとずっと後の時代の魔女、アルティミシア。

今倒したとしても、アルティミシアが存在した事実はどうしても覆せない。

私のこの魔女の力はずっとずっと未来のアルティミシアに引き継がれる。

終わったら?


「・・・魔女の歴史の、終わり・・・?」


ハインの、消滅。



ぎゅ、と胸の前で繋いだ手に力を込めた。























































アルティミシアの僕のせいで封じられた力を取り戻す為に、二手に別れたパーティで其々を倒して進んでいく。
目の前に居たスフィンクスを倒した後、取り合えず魔法を解放した。
まだG.F.等は使えないが、魔法がある分、いくらかましになるだろう。

その先へ進んでいくと、シャンデリアがあった。

スコールが一番最初に進んで、揺れを確認する。


「・・・これは、落ちるな」

「・・・取り合えず、下から行ってみない?下にも色々ありそうだし」


の提案に「さんせ〜い!」と元気良く言ったのはセルフィ。
逆にゼルは頭をかきつつ「えぇー」と零す。


「・・・かなりのスピードで落ちると思うんだけど・・・」

「アトラクションだと思えばいいよ〜」


セルフィはそう言いつつスコールの隣へ飛び乗る。
その衝撃で、グラリとシャンデリアが揺れる。
肩を落とすゼルにが「まぁ、」と言う。


「取り合えず、進もうよ」

「・・・分かってるよ!」


二人同時にシャンデリアに飛び移ると、大きく揺れて其れは垂直に落下した。

ガッシャン!!という音と共に地面へ落ちる。

地面にぶつかる前に、四人ともシャンデリアから飛び降りて着地をした。
・・・否、ゼルだけは見事に転んだが。

その衝撃で壊れたのであろう、床の扉をスコールとゼルがこじ開ける。

地下はワインが貯蔵されているワインセラーになっているようだった。
螺旋状の階段を下りていくと、そこにはアルティミシアの僕が居た。

即座に全員、武器を構える。

直ぐにスコールとセルフィが前へ出て、ゼルがライブラを放つ。


「・・・こいつの名前はトライエッジ!
 弱点を攻撃すると防御機能で弱点を変化するみたいだ!」

「そんで?弱点はっ?」

「炎と冷気だぜっ!」


ゼルが言った瞬間、は「了解っ!」と言い双剣を交差させて意識を集中させた。


「いくよっ、フレア!!」


の放つ魔法は格段に威力を増していた。
そう唱えた瞬間、トライエッジは燃え盛る炎に包まれ、一気に爆発をした。

確かな手ごたえを感じ、「よし!」とが呟く。
その直後、スコールが斬撃を食らわす。
ガンブレードのトリガーを引いて、爆発的な威力の攻撃の直後、相手が反撃をする前にセルフィが魔法を放つ。


「これで倒れて〜! サンダガッ!」


セルフィの放った雷の魔法を直撃したトライエッジは悶え苦しみ、そのまま落下した。










「んしょ」


ガコン、という音と共にレバーを押さえつける。
これで上にあるシャンデリアは落ちてこないだろうから、キスティス達が渡れるはずだ。
そう思い、達はレバーを押さえた。

ゼルとセルフィが二人でレバーを押さえてくれている間、
スコールはと少しだけ離れて居た。





名を呼べば、は小首を傾げてスコールを見上げた。
「なぁに?」と言ってくる彼女にスコールは少しだけ瞳を細めて、「魔力が、」と呟く。


「・・・格段に上がってるな、やっぱり」

「・・・うーん・・・。そうなんだよね」


自分の手を握ったり開いたりして、は言う。


「イデアさんとアデルの力、継承しちゃったからね。まぁ戦力としては申し分無いでしょ?」

「そうだが・・・」


スコールは一歩に近付いて、前に出していた彼女の手を自身の手で包んだ。
瞳を丸くして、暢気に自分を見上げてくる彼女にスコールは瞳を細め、その手を握る力を増す。


「・・・お前の負担になっていないかが、気懸かりだ・・・」

「スコール・・・」


真っ直ぐに、心配の色を濃くした瞳を向けられ、も瞳を揺るがせた。
いつものおちゃらけた様子は一切消して、うん、と頷く。


「・・・私は、大丈夫だよ」

「・・・本当か?」


うん、と返し、はスコールの手を握り返す。


「・・・この力が暴走しそうになっても、きっとスコールや皆が助けてくれる。
 そう、分かってるから私は安心していられるの」


こんな気持ちの状態じゃ、暴走なんて出来ないだろうけど。

そう言って微笑むにスコールは「当たり前だ」と言い目元を緩めた。


には俺がついてるんだ。アンタは俺が守ってみせる、暴走なんて、絶対にさせない」

「うん。ありがとう、スコール。私もスコールや皆を信じてる」


あなたが居るから、私は大丈夫。


そう、心の中で呟きながら、は綺麗に微笑んだ。















昇降機を使い、大きな鉄巨人も倒した後、武器庫に居たガルガンチュア。
それらも倒した先にあったものは、大きな絵画が置かれている部屋だった。

美術館みたいな其処は、やはり何か仕掛けがあるみたいで各自で散って散策を開始した。

それぞれの絵画を見てみると、ちゃんとタイトルが書いてあるのに真ん中にある大きな絵画の物は掠れていて読めなかった。
は顎に手をあて、うん、と考え込む。


「これは"VIVIDARIUM"ねぇ・・・」


楽園、か。

と呟くの声を聞いていたゼルが声を出す。


「こっちの絵は"IGNUS"って書いてあるぜ」

「こっちは"INANDANTIA"ってあるよ〜」


セルフィが言っている事を聞きつつ、は取り合えずメモを取る事にした。
メモを彼女に任せたのか、スコールがそれらを読み上げていく。


「"IUDICIUM"・・・"INTERVIGILIUM"・・・"VIGIL"・・・」

「ふんふん」

「"VIATOR"・・・"VENUS"・・・"XIPHIAS"・・・」

「ふんふん」

「"XERAMPELINAE"・・・"XYSTUS"・・・"INAUDAX"・・・"VIVIDARIUM"・・・だ・・・」

「ふんふん・・・っと」


カチリ、とペンを鳴らしてはメモを取った紙を皆に見せる。


「ど?何かピンと来ない?」

「そんな事言われてもよー・・・」


俺こういうの苦手なんだよな、と言いゼルは頭を掻く。
セルフィは腕を組んで「う〜ん」と考えつつ、周りの絵を見渡す。


「絵の内容は関係無いのかなぁ?」

「どーなんでしょー?」


そう返しつつ、は「あー分かんない」と言いその場にゴロリと寝転ぶ。
彼女にスコールが「起きろ」と呆れた声を出すと、は頬を床に着けた。


―――そして、気が付いた。


絵の方にばかり気を取られていたが、床にあるそれに。

がばりと素早く起きて、はガラスの床越しに見える時計をじっと見詰めた。


「良く見たら時計があるんじゃん! ・・・あ、ゼルー!丁度良い所に!」


階段を上がり、二階の絵画を見ていたゼルに声をかける。
その場からどきつつ、「この時計針どこ指してる?」とが彼に問う。
ゼルは見やすい位置へ移動した後、「えっと、」と答える。


「2020時か820時だな。8、4、6、に針が指されてるぜ」

「8と4と6・・・ねぇ」


腕を組んで考え込む

これと絵画が何か関係あるのだろうか?

そんな事を考えている内に、壁に背を預けて考えていたスコールが歩き出した。

大きなタイトルの分からない絵画の前へ立ち、彼は其れをじっくりと見た後、「なるほどな・・・」と呟いた。
「え?」と反応する女子二人を振り返り、彼はを呼んでメモを受け取った。

二階から降りてきたゼルも交えて、三人でスコールを取り囲むように詰め寄る。
「何か分かったのか!?」と問うゼルに、スコールは少々面倒そうな顔をしつつ、口を開いた。


「順を追って説明するぞ。
 まず、分かっている絵画の数だ。全部で12個。これらのタイトルの中には数字が其々混ざっている」

「数字?」

小首を傾げるセルフィに、スコールが頷く。


「"IGNUS"・"INANDANTIA"・"IUDICIUM"・"INTERVIGILIUM"・"VIGIL"
 "VIATOR"・"VENUS"・"XIPHIAS"・"XERAMPELINAE"
 "XYSTUS"・"INAUDAX"・"VIVIDARIUM"・・・これら12個のタイトルの中に隠れている数字だ。
 時計に描かれている数字がな」


スコールはそう言い、メモに何やら付け足しつつ説明をする。


「分かりやすい物で行けば"VIATOR"だ。
 この中に入っている数字は"V"と"I"、合わせて"VI"で6だ」

「あ!!なるほど!!」


スコールの説明にが手を打って言う。
それにゼルとセルフィも頷いてスコールの付け足しが追加されたメモを見た。
1から順々に書かれていくタイトルに、赤いペンで印が付けられる。

時計の針が指している8、4、6になるタイトルだ。


「もう言わなくても分かるだろう。
 この絵画のタイトルは8と4と6のタイトルを会わせたものだ」

「さすがスコール!頭イイ〜!」


ぱちぱちと手を叩いてが言う。
そんな彼女の頭にぽんと手を置きつつ、スコールは絵画の前へ出る。


「"INTERVIGILIUM"・"VIATOR"・"VIVIDARIUM"・・・」
  (うたた寝)       (使者)      (庭園)

スコールがそう合わせると、タイトルが完成した。

"INTERVIGILIUM ET VIATOR ETVIVIDARIUM"の絵画が。
            
(庭園で眠る使者)

綺麗な花畑へ続く道が描かれた絵画から、ドス黒い何かがあふれ出てきた。
すぐさま武器を取り、四人とも応戦体勢を取る。

黄金色の身体を持ったドルメン。

それに向けて、思い切り地を蹴って、は跳んだ。




かなり苦戦した謎解き(^p^)
攻略本無しで本当にメモを取ってやっていたあの頃が懐かしい・・・!

ので、オメガとか存在知らなかったんですw