しばらく攻防戦が続いた。
魔女の放った魔法を防ぎながら、此方からも武器や魔法を使って攻撃をしかけても、防がれる。
こうなったら、と思いは双剣を構えて足を踏み出す。
そして、魔女イデアに切りかかった――。
ガキン!! という音を立てて魔女の生み出したシールドに阻まれる。
「くっ・・・!」
「怯えは消えても、また直ぐにやってくる」
魔女が唇を動かした。
はシールドを踏みつけて、後方へ飛んだ。
魔女と距離をとりながらも、武器を構えていると彼女は続けた。
「愛なんて仮初の物。一際大きく燃え上がった後、跡形もなく消えてしまう」
「・・・私は、それでも欲しいの!」
欲しい、求められたい!
そう心の中で叫んで、はG.F.シヴァを召還した。
ダイヤモンドダストを放つシヴァの攻撃を受け、少しだけよろめいた魔女にそのまま突っ込む。
双剣を魔女の目の前で狙いを定めて交差させた瞬間、また頭にノイズが走った――。
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私は彼が欲しい、彼に求められたい。その彼は何処?
「痛ッぅ・・・!」
魔女を切りつけた直後、双剣を放り出して頭を押さえ始めた。
そんな彼女に直ぐにアーヴァインが駆け寄り、彼女を抱いて後方へ飛ぶ。
彼と入れ替わる様に、セルフィとキスティスが前へ出て魔女と対峙をしている。
「!しっかり!」
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冷たい。熱い。目の奥が痛い。心が痛い。早く私を殺しに来て。
「五月蠅い五月蠅い!頭の中でごちゃごちゃ言わないで!!」
は叫びながら頭を振る。
瞳をきつく閉じて、首を振って叫ぶをどうしていいか分からず、アーヴァインが瞳を細める。
酷く身体が熱い、背中が熱い、何だか焼け付くような、
それでもノイズが響く頭を抑え、「やめて!」とは叫ぶ。
「やだやだやだ!見せないでこんなの!違う!私じゃない!私じゃない!!!」
「!?」
サイファーとの決着を着けたスコール達が駆け寄ってきた。
違う違うと叫ぶに手を伸ばすスコールに、アーヴァインは彼女を手渡した。
「をよろしく。 ゼル、僕達はセフィとキスティの援護に行こう」
「お、おお・・・!」
ゼルとアーヴァインはそう言い走っていった。
残ったスコールとリノアは、を見やる。
酷く混乱した様子のを、スコールは優しく抱き締めてやった。
この様子はまるで、ティンバーの放送局の出来事だ。
あの時も魔女に何かされていた様子だったので、今回も同じだろう。
そう思ったスコールはの髪を優しく梳いてやった。
「やだやだ、違うの・・・私じゃないの・・・! スコール、スコール、スコール・・・!」
「俺は此処に居る」
きゅ、と力を込めて彼女を抱き締めると彼女も両手を必死に伸ばして、ぎゅうっと抱きついてきた。
瞳を強く閉じて、は「私じゃない・・・」と繰り返した。
何が彼女をこうしているのかはよく分からないが、スコールは強くを抱き締めた。
リノアも手を伸ばし、の頭を優しく撫でてやっている。
「・・・、」
「・・・・・・あ、」
突然、は身体を震わせると落ち着いた様子を見せた。
ゆっくりと開かれた瞳は、真っ直ぐにスコールを映した。
「・・・皆、居る?」
「ああ、皆居る」
「・・・そう、だよね・・・。大丈夫、うん、きっと、私じゃない・・・」
はそう言い、深呼吸をしてみせた。
そして、「ごめんね」と言いスコールとリノアを見た。
「何か、頭の中がーってなって・・・。色々な映像が浮かんで・・・」
「大丈夫だ。 俺が着いてる」
「スッコー・・・」
そう言って、優しく頬に触れてくるスコールに、は思わず赤面する。
そんなスコールの脇を肘でどつきながら、リノアが「俺、たち!でしょ?」と言う。
は彼女にも視線をやり、「そ、そうっしたね!」と言ってリノアにも礼を述べた。
そんな三人の所に、アーヴァイン達がやってきた。
「魔女は?」と問うと「下に逃げてったわ」とキスティスが答えた。
「下って事は・・・大講堂かな?」
「多分、兎に角行ってみようと思うんだけど・・・、」
アーヴァインがそう言い、気遣わしげな視線を送る。
はニッコリと笑んでみせて、元気良く跳ねて立ち上がってみせた。
「だいじょーぶ!スコールとリノアのお陰でもうバッチリだからね!」
「良かった〜!」
セルフィがそう言って笑む。
「じゃ、」と言っては腰に手を当てる。
「大講堂。目指そうか!」
「そうだな」
スコールは立ち上がり、もう一度を見た後、何処も異常が無い事を確認した。
確認を終え、アーヴァインの案内で彼も足を動かした―――。
大講堂に入ると、真上のガラスを割って魔女イデアが降りてきた。
突然現れた魔女に、全員が武器を構える。
が、それを気にした様子も無く、魔女はスコールを見下ろすと口を開いた。
「お前が伝説のSeeDだったのか」
そう言われても、何もかもが理解不能だった。
何時だってそうだった。周りは自分を置いて自分の話をする。
(意味不明・・・黙れ)
「なるほど立派なものだ。
お前、充分立派だよ。・・・立派すぎて目障りだ。此処で消してやろう・・・」
魔女がそう言った時、彼女の背後からサイファーが走ってきた。
彼を振り返ると、魔女は「・・・役立たずめ」と呟いた。
そんな様子から見て、スコールは直感で("ママ先生"じゃない)と感じていた。
「SeeDなぞ消えてしまえ!」
イデアがそう言い、氷の刃を生み出す。
この技はパレードの時に食らった技だと思い、はすぐさま用意しておいたG,F,のカーバンクルを召還した。
ぴょっこりと現れたカーバンクルは、額に付いているルビーを輝かせた。
そうした途端、達の前に魔法防御の壁が作られる。
それと同時に、魔女の放った氷柱が突っ込んできて、相殺された。
「俺は魔女イデアの騎士だ・・・!
俺が居る限り、イデアには指一本触れさせない・・・! 俺は、もう負ける訳にはいかねえんだ!」
そんなサイファーにスコールは舌打ちをし、既に満身創痍状態の彼にガンブレードで切りかかった。
彼は呆気なく吹き飛び、壁にぶち当たって「ぐはっ!」と声を漏らして倒れた。
が、直ぐに起き上がり、再度ガンブレードを構えた。
そんなサイファーにゼルが駆け出し、「馬鹿野郎が!!」と言うと彼の顔面を思い切り殴った。
―今度こそ、サイファーは倒れて動かなくなった。
魔女はそんなサイファーに視線すらくれずに、魔法を放ってくる。
魔法、メイルシュトロームを放ってこられて、防ぐ暇なく全員がくらう。
「痛ッ・・・!」
吹き飛んで壁に打ち付けられたは、背中から走る痺れに動けずにいた。
皆は、と思い辺りを見渡すと被害が少なかったキスティスとスコールが魔女と対峙していた。
ゼルとアーヴァインは膝を着いていて、リノアは床に倒れていた。
そんな中、震える足を叱咤し、セルフィが立ち上がった。
「出て・・・早く〜・・・!」
セルフィはそう呟きながら、ヌンチャクを回している。
何をしているのか、と思っていたら、セルフィが「来た!」と言って魔法を発動させた。
「フルケア!」
セルフィがそう唱えた瞬間、全員の身体を眩い光が包んだ。
直後、傷は全て跡形も無く消えていた。
凄い、と内心感心しながらは双剣を拾って駆け出した。
「スッコー!」
そう言い、魔女の攻撃を受けて押されているスコールにオーラの魔法をかける。
それに彼は頷き、後方に下がってガンブレードを構えた。
前に出たは、キスティスと共に攻勢に出る。
後ろからセルフィとゼルも走ってきて、キスティスと入れ替わる様にして武器で攻撃をする。
リノアとアーヴァイン、そして後ろに行ったキスティスは魔法か遠距離攻撃の準備をし始めた。
暫くそう攻防戦が続いていたが、また魔女がメイルシュトロームを放ってきて皆が吹き飛んだ。
今度はセルフィも床に伏していて、回復の手段は失われたかと思われた。
その時、
スコールが飛び出し、魔女に切りかかった。
何度も何度も、斬撃を放って魔女の隙を生み出す。
その瞬間、ガンブレードを高く掲げ、思い切り魔女に振り下ろした―――。
ブラスティングゾーン
その技は眩い光を放ち、魔女へ真っ直ぐに降りて行った。
魔女が「ああ、」と言い腕を自身に回して苦しみ始める。
その隙にスコールはまずセルフィにケアルを放った。
それを受けたセルフィが立ち上がり、先ほどの魔法を放とうとしている。
スコールが倒れているに駆け寄ろうとした瞬間、魔女の身体から眩い光が放たれた。
それはその場に居る全員を巻き込み、拡散した―。
それのせいか、朦朧とする意識の中、スコールはどうなったのかと考える。
身体が全く動かなかった。ただ、脳だけは動く、魔女は倒せたのか、皆は無事なのか、は、
(・・・・・・?)
視界の隅を、何かが過ぎった。
倒れているリノアと、膝を着いているだ。
はゆっくりとした動作で立ち上がると、倒れているサイファーの傍らに腰を下ろし、彼を抱き起こした。
何だと思っていると、はサイファーに顔を近付けた。
(・・・! ・・・・・・サイファー・・・・・・・)
直後、サイファーが立ち上がって立ち去っていった。
それを見送る様には其方に視線をやった後―――、
―――ドサリ、 と音を立てて彼女は倒れた。
その後に直ぐに視界が開け、皆の意識も正常に戻った様だ。
起き上がったリノアが、「!」と声を上げて直ぐにに駆け寄った。
そして横たわっている彼女に手を伸ばし、「大丈夫?」と声をかける。
だが、は瞳を閉じたまま、何も反応を返さなかった。
それにキスティスも駆け寄って、彼女の様子を見やる。 その時、
「スコール、キスティス、セルフィ、アーヴァイン、ゼル・・・」
穏やかな声が響いた。
その声がした方を見てみると、其処にはイデアが居て慈しむ様に瞳を細め、スコール達を見やった。
「・・・大きくなりましたね。・・・強くなりましたね。
この日を待っていました。この日を恐れていました。 今日は善き日ですか? 今日は忌まわしき日ですか?
・・・エルオーネは!? 私はエルオーネを守りましたか!?」
次々と疑問符をあげて行くイデアに、スコールは押し黙った。
もう、今は何もかもが分からなかった。
「スコール! が!!」
(・・・が? がどうしたって?)
脳裏を過ぎった光景。
ずっと一人で居て、皆が居ない。
自分が恐ろしい事をしてしまう。 違う、あれは私じゃない、そんな事望んでなんかいないのに。
『リノアは、私が護るから』
そう、護るの、わたしが、まもって、じゃ、なきゃ、わたしが、 わたしが、 わたしが、 わ たし が 、
「が目を覚まさないの!!」
リノアの悲痛な叫びが、大講堂内に響き渡った――。
ディスク2が終わりました。やっと・・・!
次から新章入ります!