白の中に赤を混ぜた色合いの機体。
目の前に急に現れたその機体に、一瞬にして目を奪われた。
薄緑色の粒子を巻きながら現れた其れは、あっという間にティエレン部隊を撃墜していく。
ビームライフルを構え、手早く敵機を墜とした後にゆっくりと此方に向き直った。
『刹那』
その時、ロックオンから通信が入る。
ロックオンは『ミッション終了だ』と言うと小さく笑った。
『ミス・スメラギからの指示だ、そっちの新顔さんと合流するぞ』
「・・・了解」
そう返し、レバーを握る。
刹那・F・セイエイは横目で先ほどのガンダムを見ながら飛び立った。
スメラギから指示された場所では既にティエリア、アレルヤが機体から降りて待っていた。
そこにデュナメスとエクシアも降り立つ。
そのままコックピットを開け、ワイヤーを使用して地上へ降り立つ。
「新メンバーは?」と問うアレルヤにロックオンが後方を指す。
彼の指した先でガンダムが飛んできているのが見えた。
宙を旋回した後、ゆっくりと着陸をする。
コックピットが開くのを、四人は黙って見据えていた。
王留美から五人目のガンダムマイスターを其方に送ると言われたのが数日前。
既に武力介入を開始していたソレスタルビーイングだったが、新しいガンダムマイスターを受け入れることにしたのだ。
先ほどの武力介入に参加する形で合流したが、本当にその機体を世間に見せるのは追々に回される。
今回は基地の破壊だったので、映像等も全て破壊をした。
新しいガンダムが武力介入をしたのも、最後の最後だけだ。
ガンダムのコックピットが完全に開き、中から人が出てきた。
その人物の体系を見て、アレルヤが短く声を上げる。
「お、女の子・・・?」
華奢で、丸みを帯びている体系。
赤というよりは桃色に近い色合いのパイロットスーツを見に纏った人物は、ゆっくりと地面へ足を着けた。
ちょっと暑かった。
そんな事を思いながら、はメットを両手で外した。
その際にふわりと金色の柔らかな髪が舞った。
視界が一気にクリアになる。
青、緑、橙、紫のパイロットスーツを見に纏った彼らの情報は既に王留美から聞いていた。
順番に刹那、ロックオン、アレルヤ、ティエリアだろう。
はニコリと微笑み、自己紹介をした。
「王留美からの指示で遅ればせながらガンダムミカエルのガンダムマイスターとしてきました、・ルーシェです」
「・・・ロックオン・ストラトスだ。ガンダムデュナメスのマイスターだ」
直ぐにそう返したのはロックオンだった。
彼もメットを取り、に向かい合う。
そんな彼に習うように刹那たちもメットを外して各々が挨拶をした。
「刹那・F・セイエイだ。ガンダムエクシアのマイスターだ」
「アレルヤ・ハプティズム。キュリオスのマイスターだよ」
「ティエリア・アーデ。ガンダムヴァーチェのガンダムマイスターだ」
「よろしく」
アレルヤだけが、と握手をした。
その際にアレルヤは少しだけ瞳を細めた。
(こんな女の子が・・・ガンダムに乗ってるなんて)
「・・・なんか言いたげだね」
え、と思わず声を漏らす。
不満げに唇を尖らせ、腰に手を当てた彼女がアレルヤを見上げていた。
「こう見えても、戦闘では足は引っ張りません。むしろ戦う事なら負けない自信があるんだから」
「ご、ごめん」
もう、と唇を尖らせる彼女は可愛らしかった。
アレルヤは無意識の内にじっと彼女を凝視していた。
否、見惚れる様に見詰めていた。
それにロックオンが「おいおい」と声を上げる。
「早速お熱か?アレルヤ」
「え、ち、違いますよ」
茶化すロックオンの横からティエリアが一歩前へ出る。
「・ルーシェ」と彼女を呼びそのまま歩く。
「トレミーへ戻るぞ。顔合わせが済んだのなら戻るように指示が出ている」
「りょーかい!」
は頷き、ミカエルに戻ろうとする。
その時に、ミカエルを凝視している刹那に気付く。
「えっと、刹那君、だっけ。どうしたの?」
「・・・これがお前のガンダムか」
「うん、ミカエルっていうんだよ」
詳しくは後で説明してあげるね。
そう言って微笑み、ワイヤーを使ってコックピットへあがる。
軽く刹那に手を振り、コックピットを閉めた。
「・・・ガンダム・・・ミカエル・・・」
外でそう呟いていた刹那には気付かず、はミカエルを起動させた。
そして先に飛び立ったヴァーチェに続くようにミカエルも飛び立った。
五機のガンダムによりプトレマイオスのコンテナも五つになります。