アレルヤとティエリアと合流をしてから其々のミッションの地点へのデータを送る。
ティエリアはロックオンと同じ方向、はアレルヤと一緒だ。
ティエリアに「頑張ってね」と通信を送ると無表情なまま彼は素っ気無く返してきた。
『ミッション遂行は当然の事だ。・ルーシェ。君はアレルヤ・ハプティズムを今度はちゃんと見張っておけ』
「だから、そんなペットみたいに・・・」
まったく。
そう思っていると、デュナメスから通信が入る。
『敵さんが気づいたみたいだ。各機、ミッションプランに従って行動しろ。
暗号回線は常時開けておけよ。ミススメラギからの変更プランが来る』
『『『「了解」』』』
ロックオンの言葉に全員が返事をする。
そしてそのまま散開をする。
キュリオスとの通信を開いているので、其方のアレルヤを見やる。
今回のミッションは、キュリオスとミカエルは最初は一緒だ。
「じゃ、一緒にがんばろうか」
そう言うとモニター越しにアレルヤが『そうだね』と返してくれた。
変形しているキュリオスの背に、変形したミカエルが乗る。
そのまま移動をしていると、前方に敵飛行部隊が見えた。
「さすがスメラギさんだね。前方に敵飛行部隊を補足しました」
『まったく、スメラギさんの予測は・・・。介入行動に入る』
アレルヤと一緒に狙いを定める。
的飛行部隊はビーム攻撃を散開して避けたが、正直それが狙いだった。
アレルヤに合わせて、ビーム砲を放つ。
『敵機編隊を撃破。キュリオス、ミカエル、ミッションプランに変更なし』
『了解。介入行動を続ける』
「ミカエルも了解です」
フェルトからの通信に答えて、そのままキュリオスと共に進んだ。
その後はフェイズ1の通り、敵航空勢力を制圧する。
『キュリオス、フェイズ2へ移行する。・・・、気をつけて』
「ミカエル、ミッションプラン変更了解、プランB3へ以降します。・・・ありがと、アレルヤ」
アレルヤも気をつけてね。
ウィンクをしてみせると、モニター越しの彼は少しだけ微笑んでくれた。
そのままキュリオスの背から降り、空中で変形をする。
次にエクシアとデュナメスの援護の為に移動をする。
もう少しで軍基地、という所で驚きの声が通信越しに聞こえた。
『刹那!?』というものでまた彼が何かをしたらしい。
見てみると、エクシアのコックピットが開き、中から刹那が出てきていた。
さすがに何をしているのかとも驚いた。
ミカエルを変形させて、そのまま走る。
敵機のパイロットもコクピットから出て来てメットまで取っていた。
お互いに銃を向け合っている。
データでデュナメスが攻撃を仕掛けようとしている事を確認して、ミカエルのスピードを速める。
デュナメスが威嚇の意味を込めてGNスナイパーライフルを放つ。
それで敵機が離れた事を確認して、勢いを生かしたままミカエルで突撃をする。
「はああああっ!」
だが寸でのところでミカエルのグリフォン2ビームブレイドは避けられた。
だが、刃が少し掠ったようで紺色のイナクトが体勢を崩した。
飛んだ勢いで変形もして、GNソードを構えて薙いだ。
今度は完璧に外れて、イナクトは変形をして離脱した。
デュナメスもGNスナイパーライフルを撃っていたが、あたる事はなかった。
ロックオンの狙撃から逃げるなんて。
なんてパイロット。そう思いながら刹那へ通信を開く。
『刹那!』
「無事!?刹那!?」
ロックオンとほぼ同時に通信を開いたらしい。
直後、スメラギさんの声も聞こえた。
『事情は後で聞かせてもらうわ。ミッション、続けられるわね?』
『了解』
刹那が答えているのが聞こえる。
「・・・無事みたいで良かった、刹那」
『・・・サポート、感謝する』
どこかいつもと様子が違って見えたけれど、刹那はそう返してくれた。
いいよ。とも言ってエクシアとの通信を切る。
『フェイズ5まですっ飛ばして、フェイズ6から続行。
デュナメスとミカエルはエクシアのサポートをお願い。キュリオスとヴァーチェにも同様の指示を』
スメラギさんの通信が入る。
それに「了解」と答えてミカエルを移動させる。
さっきのイナクトのパイロット、よほどの腕を持っていたと見れる。
あんなのが、もっと性能の良い機体に乗って襲い掛かってきたら。
そう思うだけで体が震える。
だめだめだめ!
ただでさえ震えているのに、これ以上は・・・!
そう思い頭を振って眼前の敵に集中をする。
次のミッションの為に、移動をしないと。
デュナメスとエクシアに、ミカエルも続いた。
狭い渓谷の間を五機のガンダムが飛ぶ。
すごく狭い、ヴァーチェなんてギリギリすぎる気がした。
『まったく、こんなルートを通らせるなんて』
『ぼやくなよ。敵さんは電波障害が起こっているポイントを重点的に狙ってる。隠密行動で一気に頭をたたくのさ』
通信を通してアレルヤとロックオンの会話が聞こえてくる。
丁度ミカエルの前を飛ぶデュナメスとその前を行くキュリオスを見やる。
『頼んだぜ、水先案内人!』
ロックオンが明るい声色でそう言うと、先頭を飛ぶキュリオスが岩肌に掠める。
あ、と思った時にはもう遅く、岩塊がすぐ後ろにいるデュナメスに当たりそうになった。
デュナメスが避けたそれは、当然ミカエルの目の前にくるわけで。
『危ねぇな、おい!』
『ヘタッピ!ヘタッピ!』
『ドンマイ』
『そりゃこっちのセリフだ!』
ハロも交えた会話に少し和むが・・・。
思わず通信に割ってはいる。
「ちょっとアレルヤ。ミカエルにも二次災害がきそうだったんですけど?」
『え?ごめんね、。大丈夫だった?』
冗談交じりで言ったのに本当に謝られて心配されてしまった。
彼はやっぱり優しいな、なんて思っているとロックオンの不満げな声が聞こえてきた。
『・・・おい、俺の時と嫌に態度違くないか?』
『相手がなんです、当然でしょ』
『お前・・・良い性格してるぜ』
『、オンナノコ、オンナノコ』
二人の会話に思わずくすりと笑ってしまう。
実際岩は普通に避けたのだから、正直言ってあまり気にしてはいなかった。
モラリア軍司令部に着いたところで、ラストフェイズへ移行する。
『ヴァーチェ、目標を破砕する』
『デュナメス、目標を狙い撃つ!』
『キュリオス、介入行動に入る』
『エクシア、目標を駆逐する』
各々が武力介入に移る。
手の震えを叱咤して、口を開く。
「ミカエル、駆け抜けます」
獣のようなMA姿へ変形して迫り来る敵機を撃墜した。
五機のガンダムが揃って行動に出たせいか、五分もかからずに敵機全てを撃墜した。
『敵部隊、反応なし』
『まだやるか?・・・それとも』
ロックオンがアレルヤの後に言う。
緊迫した空気が漂う中、ティエリアが『いや』と呟く。
直後に一発の信号弾があがった。
降伏の合図だ。
『ハロ、ミス・スメラギに報告!敵部隊の白旗確認!ミッション終了!』
『リョウカイ!リョウカイ!』
ミッションが終了した。
は思わず大きく息を吐いてしまった。
体は未だ小刻みに震えているけれど、まだまだ大丈夫な気がした。
もし、ガンダムと同等の力を持つ敵が現れてしまったら、私は恐怖に負けないで戦えるだろうか。
そう思いながら、離脱を開始した。
『撃墜または大破したモビルスーツは68機。
現時点での戦死者は、兵士・民間人含めて527名で、行方不明者の数を含めると犠牲者はまだまだ増えると予想されます。
ただ今、現地入りした池田特派員と中継がつながったようです。現場の状況を伝えてもらいましょう。池田さん、お願いします』
『あ、はい、池田です。わたしは今、モラリアの首都リベールに来ています。
見えますか?ここは、撃墜されたモラリア軍のモビルスーツがビルに激突し、崩壊した現場です。
ここに来るまでに、流れ弾を受けて破壊された民家をいくつも目撃しました。
一般市民にも多数の犠牲者が出ているもようです』
『私設武装組織ソレスタルビーイングから犯行声明のようなものは出されていませんか?』
『えー、そのような情報は、わたしのところには入ってきていません』
ガンダムを移動させながら中継を見る。
民間人含めて527名の死者、か。
そう思いながらは中継を切断した。
あの軍基地だけでこれだ。
なら、私はベルリンで一体どれだけの死傷者を出したのだろう。
そう思いながら、大きく息を吐いた。
今回は戦いがメインでした。