デュナメスとキュリオスで濃縮ウラン埋設地域に向かう。
そこでテロリストを叩く。
けれど、絶対に三大国家陣営のどれか、否、下手したら全軍が動いてガンダムに襲い掛かるだろう。
ミカエルはGN粒子を散布しつつ近場で待機。
エクシアとヴァーチェは別の場所で待機。
その際には外壁部迷彩被膜を張らなければ。
プランの事を考えながらはミカエルにのレバーを握った。
デュナメスとキュリオスはきっと離脱ができないだろう。
(私が二人のサポートをしっかりしなきゃ)
キュリオスとデュナメスの様子を見る。
どうやらたった今キュリオスとデュナメスのミッションが完了したようだった。
テロリストを叩き終わったところで、三大国家が動いた。
多弾数ミサイルがデュナメスとキュリオスを分断させた。
動いたのはユニオン軍のリアルド大部隊のようだった。
こうなったら離脱は難しいだろう。
はミカエルを空へ飛ばせた。
向かうは、彼らのところ。
「ミカエル、プランB2へ移行します」
そう言い、駆けた。
宙を飛んでいたキュリオスに一機が突撃する。
そのまま落下するキュリオスに気を取られたデュナメスに、二機が取り付いた。
リアルドは上部と下部を分離し、残った場所がデュナメスに取り付いたまま爆発をする。
降下したデュナメスにキュリオスが駆けつけた。
そこで一気に集中砲撃をされる。
やっぱり、嫌な予感大当たりだ。
そう思いながら外壁部迷彩被膜を解凍して、MAに変形する。
「二人を・・・」
横一列に並ぶティエレン長距離射撃型に斬りかかった。
「いじめるなあぁ!」
ティエレンを攻撃していると、反対側でヴァーチェがGNバズーカを撃つ。
離脱ルート確保の為に、たちががんばるしかない。
『プランがB2に移行したか!離脱するぞアレルヤ!』
『了解!』
ロックオンとアレルヤの声が通信越しに聞こえる。
二機を追撃する部隊を、ミカエルで撃破する。
ミカエルの役目は二人のサポートだから。
『、遅れるなよ!』
『分かってるもん!』
通信越しに聞こえたロックオンの言葉にそう返す。
離脱する二機を追うは、背後のエクシアとヴァーチェも気懸かりだった。
敵の対応が思ったよりも早い。
大量のミサイルがエクシアとヴァーチェを襲っていた。
そうが思っていると、通信越しにアレルヤの悲鳴が響いた。
『うっ・・・!うあああああ!!』
『どうした、アレルヤ!?』
アレルヤの苦しむ声と同時に、キュリオスが地面に倒れた。
つられてデュナメスも動きを止め、キュリオスの様子を伺う。
『あ、頭が・・・!』
「・・・まさか、この感じ・・・」
ミカエルを動かし、二機を守る様に前に立つ。
アレルヤのこの苦しみように、が感じた違和感。
そして、あの空間での彼女との会話・・・。
『来る、超兵が・・・!』
『超兵だって? 報告にあった人革の専用機か・・・』
ロックオンがそう呟く。
その直後にハロが敵機が接近してきた事を伝える。
『テッキセッキン!テッキセッキン!』
「・・・来る!」
砲撃を避けるためにヴァーチェのGNバズーカによりできた溝を通っていたが、その上からタオツーが飛び降りてきた。
ソーマの脳量子波からアレルヤが行動不能に陥る事は敵にも分かっているのだろう。
それを利用して、こちらにソーマをあててきた。
「・・・人革連の奴等・・・!」
ミカエルを動かしてキュリオスの前に出る。
キュリオスを守るように動いたミカエルに、『!』とロックオンの声が響く。
ミカエルはそのままタオツーに体当たりをされた。
「彼は、やらせない!」
『!』
((、お前を連れて行く!!))
そのままタオツーに押され気味になる。
ここで押し負ければ、アレルヤが!
そう思った瞬間、タオツーが片腕を動かし、銃口を此方に向けた。
「! うあっ!」
至近距離で撃たれてバランスを崩す。
まずい、
そう思った時、『!』とアレルヤがの名を呼んだ。
ぎこちない動きでキュリオスが動き、タオツーに攻撃をしかける。
が、逆にタオツーの体当たりをキュリオスは喰らってしまう。
「アレルヤ!!」
タオツーと共に物凄いスピードで、離されて行くアレルヤ。
私を助けたために・・・!
そう思い、追おうとしたミカエルの背後に衝撃がくる。
見ると、溝の上からティエレンがこちらに向けて銃口を向けていた。
『思うつぼかよ!!』
「ロックオン!」
ティエレンが下がった途端、今度はミサイルの雨が降ってきた。
咄嗟にデュナメスの前に出て、シールドを前に出す。
物凄い衝撃が、全体を襲う。
「きゃああああああ!!」
『! っく・・・!うわああ!』
ロックオンもシールドを張っているけれど、ダメージは通る。
どうしたら、と考えていると頭に声が響いた。
((ぐああああ!!))
この悲鳴は、アレルヤ!
を助けたアレルヤは、タオツーの攻撃を受けているだろう。
((今度こそ・・・今度こそ任務を完遂させる!超兵として!))
ソーマの声が響く。
任務の完遂、やっぱりキュリオスを攻撃しているようだった。
は揺れる機体の中で、アレルヤの身を案じた。
「や、やめて・・・ソーマ・・・!」
((! か・・・これが終わったら、次はお前だ!))
((おい、名前は?))
ソーマに訴えかけても、受け入れられない。
そんなとソーマの会話に割って入ったのはハレルヤの声だった。
これは脳量子波での会話ではない、通信が入れられているらしかった。
訝しむソーマに、ハレルヤは教えろよ、と静かに言う。
((超兵一号、ソーマ・ピーリス少尉だ!))
((ソーマ・ピーリスか・・・良い名前だ・・・殺しがいがある!))
ハレルヤの殺気が増した。
攻撃をしかけたらしいけれど、ソーマはそれを避けたようだった。
((この男・・・お前がを縛っているのか!))
((そうだったらどうするよ!!))
((っく・・・許さん!!・・・中佐!?))
ソーマの様子が途中で変わった。
どうやら離脱を命令されたようだ。
それにハレルヤは意気消沈したのか、舌打ちをする。
((つまんねぇなぁ・・・後は任せたぜ、アレルヤ・・・、・・・ハレルヤ!))
「ア、アレルヤ・・・!」
彼らの意識が入れ替わったらしい。
頭にアレルヤの悲鳴が響く。
直ぐにでも彼を助けに行きたいが、今は耐えるしか無いようだった。
デュナメスを守らないと。
そうは思い、そのままGNフィールドを張ってデュナメスの前に立つ。
『、お前・・・!』
「っく・・・ロックオンは、私を盾にして狙撃を・・・!」
揺れる機体。
今回は本当にやばいかもしれない。
エクシアもヴァーチェも、キュリオスもきっと身動きが取れなくなっているだろう。
本当は怖い。
怖くて体が震える。
カタカタ震える手で、レバーをぎゅっと握った。
怖いけれど、戦わないといけないんだから・・・!
は震える自分の体を叱咤し、唇を噛み締めた。
ロックオンは苦々しげに『分かったよ・・・!』と返した。
『、無理させて悪い・・・!』
「わ、私は大丈夫だから・・・! うっ!」
衝撃が襲う。
でも、このまま耐えるしかない。
ガンダムを敵に渡すわけにもいかない。
みんなをここで失うわけにもいかない。
そのまま、ずっとそこで耐え続けた。
ミカエルを盾にして、デュナメスは狙撃を繰り返す。
一機落としても数機が襲い掛かってきての繰り返し。
戦闘開始から一体どれくらいの時間が経っただろうか。
辺りはもう暗くなってきていた。
は荒い呼吸を繰り返しながら、デュナメスの盾になり続ける。
そろそろ薬の効力が切れてきた気がする。
は大きく息を吐いて、片手を動かす。
薬、薬を飲まないと、
そう思い、薬の入ったケースを手に取る。
荒い呼吸の中、ケースから取り出した薬を適当に飲み込む。
もう量を見る余裕も何も彼女には無かった。
ロックオンは狙撃に集中しているらしく、此方には気付いていないようだった。
そこで、敵機が接近してくる反応があった。
「・・・まだ、来るの・・・?」
『飯ぐらい食わせろってな・・・うっ!』
近くにミサイルが落ちた。
ガンダムはまだ戦えるだろうが、中に乗っているパイロットがもう既に疲労困憊状況だ。
きっと敵の狙いは、これだったんだろう。
アレルヤは、大丈夫かな。
ただ、はそれだけが気懸かりだった。
上空からユニオンのフラッグの部隊が向かってきている。
精鋭部隊のフラッグファイターたちが来てしまった。
その中から、一機だけが隊列から抜け出して此方に突撃してきた。
独断行動?
が思っていると、其れは空中変形をして攻撃をしかけてきた。
数段撃たれ、被弾するもデュナメスが撃ち落した。
其れを撃墜させ、次に向かってくるフラッグに向けてGNライフルをデュナメスが構える。
ミカエルの肩に乗せ、安定させても、中々あのフラッグに当たらない。
『指先の感覚が・・・!』
「ロックオン・・・! まさか、このフラッグ!」
あの時の!
そう思い、は一時GNフィールドを解消する。
まだ薬の効果も出ていないのに!
内心舌打ちをしながらは動く。
『!?』
ずっとレバーを握り締めていたせいか、彼の言った通り指先の感覚が可笑しい。
体だってずっと震えてた。
でも、此処で私が動かないと、デュナメスがやられてしまう。
そう思い、は奥歯を強くかんだ。
物凄い速さで突っ込んでくるそれを避けるなんて出来ない。
ならば、
『うわっ!』
申し訳無いと思いつつも、デュナメスを背で押した。
バランスを崩したデュナメスは、そのままよろけて脇へ逸れた。
「っく・・・!」
来る!
そう思った瞬間、フラッグが眼前にきたところで突然変形をしてMS型になった。
そのまま両腕を広げて、物凄い勢いで抱きつくように取り付いてきた。
勢いのまま突っ込んできたフラッグと共に、ミカエルは地面に倒れ、地面の上をすべる。
「きゃああああああ!!!」
物凄い衝撃が機体全体を襲う。
思わずレバーから手が離れ、コクピットの中で体を打つ。
痛い、怖い、辛い!
体中を強打してしまったのか、全身が痛い。
『!!』
ロックオンの心配そうな声が響く。
デュナメスは、別の機体から狙撃をされていて身動きがとれない状況になってしまっていた。
押し倒された状態となったミカエルは、フラッグに武器を持つ側の腕を拘束され、頭部を鷲掴みにされた。
メインモニターを掴まれ、視界が見えなくなる。
このまま、捕まっちゃうのかな。
体も動かないし。
きっとこのフラッグに乗ってるのは前に一度戦った相手だろう。
さっきの空中変形もそうだし、動きも明らかに他の機体とは違った。
ユニオンも、私をいじめるのかな、
私を、
そう思っていると、通信から声が響いてきた。
『!おい、!応答しろって!!』
・・・ロックオン、
心配かけちゃってる。
はそう思ったが、既に返事をする気力もなくなってきていた。
戦闘開始からどれくらいの時間が経ったんだろう。
どれだけ、このフラッグに押さえつけられているんだろう。
なんか、空が白みはじめてきた気もする。
そんな事を思っていると、フラッグの手が伸びてきた。
頭部から手は放され、真っ直ぐにコクピット部分へ伸ばされた。
「・・・!」
思わず息を飲んだ。
このフラッグ、コクピットを外して、私を引きずり出そうとしている!
そう思った瞬間、またの体が震え始めた。
「あ、や・・・嫌・・・!」
『! おい、!!』
「嫌あああああああ!」
そう叫んだ瞬間、気付いたら両手でレバーを操作していた。
押さえつけられている方の腕はフラッグの腕を、
開いている手はフラッグの体を押した。
「やめろ・・・私に、触るなぁ!!」
((・・・!?))
頭にソーマの声が響いた。
でも、今はそんな事に構っていられない。
今は、兎に角この腕から逃れなければ。
「嫌だ・・・やめて・・・私は、私は・・・!」
『!・・・っくそ!どけお前ら!!』
ロックオンがそう言いながらGNビームピストルを撃つ。
が、他のフラッグがデュナメスを捕らえた。
『くそ・・・!! !』
「・・・お前ら・・・!」
ロックオンも苦しんでる。
このままじゃ、ロックオンも捕まってしまう。
そんなのは駄目!
「どけぇ!!」
腰の部分からビームサーベルを抜いて開いている手で薙いだ。
それに反射的にかフラッグは反って避ける。
そのチャンスを逃さないように、動く。
―しかし、
「! 何!?」
逃げようとしたミカエルの腰の部分に、フラッグがまた取り付いた。
邪魔だと感じつつも、ビームライフルを構えて、ロックオンの周囲のフラッグを撃つ。
せめてデュナメスだけでも・・・!
そう思いつつ、重たい腕を動かす。
(私は、彼らを助けなきゃいけないんだから・・・!)
それが、私の戦う、意味!
((・・・、羽根付きは私たちが鹵獲した))
「!!!」
頭にソーマの声が響く。
羽付き、キュリオスの、鹵獲?
アレルヤが捕まった!?
「か、返して!」
((断る・・・!お前も、捕まるんだぞ!))
ソレスタルビーイングは、捕まる。
そんな、とが思っていると取り付いたフラッグが再度ミカエルを地面に落とす。
「うっ・・・!」
((・・・お前を迎えに行く))
任務を遂行したら。
そう言うソーマに、私は思わず首を振った。
「い、嫌・・・!また、私の体をいじるんでしょ!私の脳をいじって、記憶も操作しようとするんでしょ!!」
みんなが私の中からいなくなっていく。
そんなの、嫌だから・・・!!
「私は・・・!」
そこまで言った瞬間、ソーマの気配が揺らいだ。
何かが起こったらしい。
((何・・・このプレッシャーは?))
ソーマの周囲のティエレンが堕ちたらしい。
ミサイルじゃない?と呟くソーマが驚きの声をあげた。
((な、なんだあの機体は!・・・っく、!まだガンダムが別に居たのか!?))
「・・・別の、ガンダム?」
そう呟いた瞬間、ロックオンの周りのフラッグが撃墜された。
今のはビーム攻撃・・・。
放たれた方向を見ると、真っ黒な機体が空に浮かんでいた。
フラッグ部隊も撤退をした事から、ゆっくりとミカエルを起こす。
デュナメスも、ぎこちない動きだが起き上がった。
『、無事か!?』
「・・・う、うん・・・」
やだ、今更また体が震えてきた。
ユニオンの部隊は撤退したっていうのに。
そう思いながら、は震える手をレバーへ伸ばす。
モニター通信が開かれて、ロックオンの心配そうな顔が映る。
彼はそれにしても、と言う。
『・・・この機体は?』
真っ黒い体のガンダム。
肩に大きな砲口を背負い、真っ赤なGN粒子を出していた。
GN粒子を出しているし、頭部を見る限り、ガンダムなんだろう。
『ハロ、知ってるか?』
『データナシ!データナシ!』
ロックオンとハロの声が響く。
ハロのデータにも無い機体?
そう思っていると、モニター通信が向こうから開かれた。
『どうやら、間に合ったようだな』
耳に響いたのは、落ち着いたテノールボイス。
それと同時に、黒色のガンダムがミカエルの目の前まで降りてきた。
モニターに映し出された人物は、見たことのない男性だった。
「・・・誰?」
『スローネアインのガンダムマイスター、ヨハン・トリニティ』
「・・・ヨハン・・・トリニティさん?」
が思わずそう返すと、黒色のガンダム、スローネアインのパイロットのヨハンは頷いた。
『君たちの仲間のマイスターのところにも、既に私の兄弟たちが救出に向かっている』
『どういうことだ?』
ロックオンがそう聞き返した所で、向こうでヨハンが別の人物と通信で会話をする。
『ネーナか』
ヨハン兄、という声に彼はそう反応した。
女の子の、声。
『こっちのミッションはクリアしたわ』
『そうか。ネーナ、GN粒子、最大領域で散布。現空域から離脱する』
ヨハンはそう言い、スローネアインを動かす。
思わずサニダは「待って!」と言いアインに手を伸ばした。
未だ通信が繋がっているヨハンは少しだけ瞳を丸くした。
「どうして、私たちを・・・?」
『・・・それは、追々話す。今は離脱に専念しなさい』
思いの外優しい声と瞳でそう言われ、通信は切断された。
「・・・ヨハン・・・トリニティ・・・」
他の兄弟が他のマイスターを救出していると彼は言った。
・・・そうだ!アレルヤは!!
すぐにはそう思い、ミカエルを動かす。
の突然の動きに、ロックオンが『おい、!』と慌てた声を出す。
「ごめん、ロックオン!私、アレルヤの事が気になるの!」
『・・・ったく、あんま無理すんなよ!』
兎に角、離脱を優先にするように。
ロックオンの注意を受け、私は頷いた。
兎に角キュリオスの下へ。
そう思い移動した瞬間、周囲に真っ赤なGN粒子が広がった。
広範囲に散布されていて、各部隊が電波妨害の為に混乱しているようだった。
そういえば先ほど、ヨハンがGN粒子散布がどうこうって言っていた。
・・・年上に見えたから、ヨハンさん、の方がいいかな。
なんて思いながらはキュリオスを発見する。
すぐにキュリオスとの通信を開いて彼に声をかける。
「アレルヤ、アレルヤ!聞こえていたら返事して!」
『・・・かい・・・!?』
よかった、無事なようだった。
すぐにキュリオスに纏わりついているネットを取り外す。
モニターに、アレルヤの顔が映る。
アレルヤの無事な様子を見て、は安堵の息を吐いた。
「・・・良かった・・・アレルヤ・・・」
そこまで言ったところで、ある事に気付く。
緩んだ彼の首元から、桜色の貝殻が見えた。
それは彼に手渡したお守りだった。
ずっと握り締めていたの?
そう思いながらは瞳を少し丸くした。
『・・・、君の声が聞こえたんだ』
「私の、声?」
どうして?
がそう問うと、アレルヤは悲しげに瞳を揺らし、再度口を開いた。
『君が苦しんでいる事も、ずっと気付いていたのに、僕は何も出来なかった・・・!』
「・・・私だって、アレルヤを助ける事が出来なかった・・・」
私を守って、タオツーに捕まったんだから。
思わずそう言ってが目を伏せると、アレルヤの『違う!』という声が響いた。
瞳を開けてアレルヤを見ると、彼は悲しそうに瞳を揺らがせていた。
『君の想いは、僕に届いていた・・・。あの優しい気持ちは、君だろう?』
「・・・そんな、私は・・・!」
『頭痛も途中で弱まったんだ・・・でも、結局僕は何も出来なかった』
折角君が僕を想ってくれたのに。
そう言うアレルヤには首をゆっくりと振って、キュリオスにミカエルの手を伸ばす。
「・・・もう、いいよ。アレルヤ」
『・・・・・・』
「一緒に帰ろう?」
トレミーへ。
そう言うと、彼は小さく頷いてくれた。
そのままミカエルとキュリオスは、元から決まっていた太平洋第6スポットに帰投を開始した。
トリニティー!!